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◆2022年5月21日、福井市 随応寺にて行われるリーディングのチラシはこちらです。
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◆上演当日の様子は こちらです。
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◆企画をされた菅井純子さんからのメッセージは
​ こちらです。

玉村氏の前任の福井農林高校演劇部顧問でした。

より正確に言いますと氏は、私がたった3年で異動した後に当てがわれ(所詮我々は駒)、同校演劇部の全盛期をもたらした、という感じです。

やはり指導者が良いと生徒たちは伸びるのです!

ということで、私は他校に異動後も早期退職後も、年末のケーブルテレビでの高校演劇祭の放映を楽しみに拝見しておりました。

ところが・・・(以下略)。

生徒さんたちの気持ちを察しては涙する日々が続いておりました去年のクリスマスごろ、昔からの知り合いが突然アワアワと電話してきて「明日のハナコ、やろっさー!」と言うので、「おぅ。」と答えて、今日に至ります。

とにかく「気持ちだけ」で企画していますので、抜けてるところばかりです。

福井で上演することに意味があると信じてがんばります。

「あんなのでいいなら、うちらもやろっさー」と、誰かがうっかり思ってくれたらシメたものです。

◆上演を目撃した玉村徹の感想は こちらです。

桃源郷の20人    -5月21日の『ハナコ』たち-

 

福井で『明日のハナコ』が上演されました。場所は閑静なお寺のお堂。緑濃い森の木々からはさまざまな鳥の声が聞こえる、まるで桃源郷のような場所です。

『ハナコ』は去年の12月に僕と鈴江サンでリーディング上演されましたけど、福井では僕たち以外では初めてです。もっとやってくれていいのに(^_^;)

演劇は「生」の芸術です。ナンボ脚本を読んでも劇を理解したことにはなりません。脚本は(とえらそうに語りますけど)、なんていうか骨です。骨格標本みたいなもんです。あったでしょ、理科室の隅の方に。あのちょっと怖いヤツ。あの全身骨格標本を見ても、美人なんだかぶちゃいくなんだかわかんないでしょ。あれに筋肉や内臓や脂肪や髪の毛目玉唇その他をくっつけて初めて人間として認識できる。僕だってアレですよ、骨だけだったら〇坂〇李とそんなに変わんないと思うんですよ。い、いや、そこの人、石を投げないで。痛い痛い。

だから、今回見た『ハナコ』は、僕たちオッサンとは全然別物でした。女性が演じることで、確かな「ハナコ」と「小夜子」がそこにいました。叫んだり起こったり悩んだりする切ない物語が見えました。

「熱演に感動しました。何かを訴えたいと思うエネルギーはすごいなと感じました。ありがとうございました。」

「原発だけでなく、戦争、震災、環境問題、受験といった子供たちを取り巻く問題など、多岐にわたっていて、大変よかったです。笑いあり、涙ありでした。」

「脚本は色々なテーマが含まれていて見ていてとても考えさせられました。そしてエネルギッシュなキャラクターは見ていて面白かったです。」

こういう感想は、人体模型には生み出せません。生き生きした役者があってのことです。ほんと、嫉妬してしまいます。ああ神様、どうして僕を美少女としてこの世に生まれさせてくれなかったんですか。それはね、気持ち悪いからだよ。ああそうですか。

それから、演劇はそのときだけの芸術です。あとから映像を見ても、それは演劇の干物のようなものです。あの場にいて味わえた、あの魔法は、ビデオカメラに収めることはできません(だから、僕たちがYouTubeにアップしている映像を見て、『明日のハナコ』ってこんな劇だよね、だいたいわかった、なんて思わないでくださいね。あれは『ハナコ』のスルメですから)。あそこにいた幸運な人たちだけが、あの感動を味わえました。

だから、演劇は効率の悪い芸術です。一度に見ることができる人数がとても少ない。テレビやネットならすぐに数万人に届くんですけど、演劇はいつもほんの数十人、数百人にしか届かない。稽古には何ヶ月もかかるんだけどね。

でも、その分、深く届く。これは演劇を見に来た人でないと体験できない。

「これが放映されず残念だし、子供たちを傷つけた大人たちに腹が立ちます。差別発言は、故高木市長に問題があるのであって、演劇に問題があるのではない!! と声を大にして言いたい! ぜひ多くの人に見て欲しいし、問題を多くの人に伝えたいです。」

「未来のことを考えて生きるとはよく聞くことですが10万年後はさすがに考えてなかったです。でも劇を見て、とても切実で大切なことだと思いました。演劇したいなあーって思いました!」

「どこかに一市民として抗議等したいとあらためて思いました。また機会がありましたら関わって行けたらと、80歳の老婆が考えています。今日はありがとうございました。」

何かしたい、何か声を上げたい、今すぐ駆け出したい・・・そういうふうに人を動かすことができるのが演劇だと思うし、お二人は本当に素晴らしいことを成し遂げたのだと思います。ほんと嫉妬しますね。ああ神様、どうしてもっと僕をいい役者としてうまれさせて。ええといちいちつまらないことで話しかけないでくれるかな。はいはいそうですか。

だから演劇は世界を変えることができると思います。世界は人々の行動によって作られているのだから。何十億の人々の行動の結果がこの世界なんだから。

ただ、5月21日に、このお寺でこの劇を見ることができたのはほんの20人です。世界を変えるにはまだ足りません。でもさ。鎌倉殿だって13人じゃん。こっちの方がちょっと多いでしょ。だからここから、これから、世界を変えていけるんだよ。きっとできるんだよ。

たった二人の芝居ですから、上演は簡単です。「ねえ、あんた、ちょっとやってみようよ」と友達に声をかけるだけでいい。舞台装置もそんなにいらない。照明も音響も気にしなくていい。必要なのは「いっちょ、やってみようぜ」という、このお二人のような心意気です。

 

ついでに言うと、『ハナコ』でなくてもいい。みんながいろんなことを考えて劇を作るようになったら、いろんな劇が世界のあちこちで演じられるようになったら、それはとても素敵なことだと思います。

                                                              玉村徹

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