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◆上品芸術演劇団『明日のハナコ』ドラマリーディング、2025年6月だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 この6月に、鈴江俊郎はふたたび「明日のハナコ」ドラマリーディングを実行します。

 ただし今回は演出として。

 出演は、鳥取の役者さんお二人。表現部とっとりのハナコの森本里美さんが、いちおしの鳥取の役者さん中村友紀さんを連れて、今治にやってくる。

 この上演は、2月・3月に実行した「ニッポン人は亡命する」(上品芸術演劇団 今治・鳥取公演)を見てくださった今治のお客さんたちから、ぜひこの問題の本家本元の作品を生で見てみたい!という呼びかけをうけて、それにこたえる形で実現されるのだ。

  波方公民館で360度の客席の輪の中で、6月1日、11時と15時。またもや「みかんの会」の皆さんの強い後押しを受けて、鈴江たちはまたやります!

 上演の終わった後は、短い時間だけれどアフタートークの時間を設ける予定です。いまのところ、遠路はるばる玉村徹はやってきて芝居を観て、そしてなにかを語るでしょう。

 芝居を見た人から、見た人へ。つぎつぎ波はおさまらずに伝わっていくのだ。

 私は、戦争のない世の中を続けたい。続けさせるのは私たちの意志だと思う。世の中は勝手に大きな力で動いていくのであって私たちは常に受け身で、そして一人一人は無力だ、なんて思わない。私たち一人一人の意志が、世の中の動きをつくるのだし、きめるのだ、と思っている。いや、時々は無力感みたいなのに襲われることだってある。高校生たちの表現の味方をしてくれる人だ、と思っていた福井のあの先生に裏切られ、この運動に暴言を吐かれたようなとき、遠い米国でとんでもない大統領が当選してとんでもない関税の政策を発表するニュースが来たとき、あんなとき、こんなとき。

だけど。小さな劇場ができたあの日のことなんかを思い出したりもするのだ。小さな劇場をつくった日、そこで初めて上演した日、そんな日が、私の体験にはある。その劇場は、確かに、あのおじさんとこのおじさんが粘り強く仲間を誘って、仲間を鼓舞して、仲間じゃなかった人まで巻き込んで仲間にしてしまって、……そんな動きの果てにできたものだった。確かにその動きはたった一人のきもちから始まった、ということを私は目撃していた。そんなことが、確かにあるのが演劇の現場だ。

 信じるか、信じないか、って問題じゃない。実際そこにそういう事件があったのだ。目撃したのだ。それは、もう事実だし、真実だ。事実と真実はどう違う、とかそんなブンガクテキな議論は実はあんまりどっちでもいい。実際そこにあったんだから、私はそのおじさんたちの実践のあとを追うだけだ。無理なく、動ける時には動いたらいい。動きたい方向に動けばいい。お芝居はきっとおもしろくつくれる。いやおもしろくつくれるかどうかはあんまり確定してるとは言い難いけれど、おもしろくつくろうよ、って稽古したり話し合ったりするのは確かに楽しいしうれしい時間の連続なんだ。そのうれしい時間を続けよう。そしたら、そんなことの先に、戦争をとおざける力学は生まれる。政治権力や支配権力によって命じられたりお金で誘導されたりすることもないこの私たちの自発的な群れあい方、そして動き方、そんなものがこの世界から消えないうちは、私たちが政治権力に支配されてしまうようなことはない。

 演劇はとってもまどろっこしい動き方だよね、って昨日も私は誰かに言われたけれど、そう。だけどその人も言っていたのだ。だからこそ演劇って力があるよね。って。

 (鈴江俊郎)

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