top of page
◆2022年5月-6月、東京にある共立女子大学で「明日のハナコ」問題が授業の中でとりあげられました。
​ その報告記事(鈴江執筆)はこちらです。
東京にある共立女子大学で、「明日のハナコ」のこの事件を素材に、大学で授業がおこなわれました。この事件は、人権のことや、ひとがひととしてなすべきことはなにか、をかんがえるにはとてもよい素材なのだ、きっと。

  

 担当教員の村井華代先生から、授業の報告をいただいた。その内容の概略を報告すると、以下の通りです。

 

 授業は、2022年 5 月から 6 月にかけて行われました。共立女子大学で2年次から履修できる全学部共通の授業です。現代社会の課題をひろく語り合う授業のようです。(半期、担当・村井)30人程度の学生たちが参加しました。女子大なので全員女子です。

 授業では、『 週刊金曜日』 2022年 2月 18日号( 1365号)に掲載されたダイジェスト版戯曲を配布、 音読したあと、何が起こったのかを教員から 口頭で 説明。テーマを定めずに4人程度のグループで考えを出し合ってもらったとのこと。その後、村井先生は追加で4回のワークショップをその学生たちに実施。この事件の様々な関係者の立場に立って、対立する人物たちのあり得るだろう議論を実行してみるような試みを数種類行った、という経過です。

 このワークショップがとてもおもしろいのです。学生たちには「ここで演じるのは全部フィクションだから、本人が実際どうだったかは考えず、自分ならどうするかで構わない」と言って、おこなうプログラムだったそうです。自分の身におきかえて想像力をフルに発揮する試み。創造的な授業がされていることがわかります。

 学生たちは、立場をかえてこの問題にかかわるシミュレーションを体験することによって、自分たちの意見を深めることになったようです。

 このような取り組みを、この大学ではさまざまな課題についておこなってきているようです。学生たちが受け身で問題を知るだけではなく、自ら考えて論じ合うという刺激的な時間は、この複雑化する世界の中ではとても貴重なものだ、と私(鈴江)は考えます。

 「明日のハナコ」は高校の部室から生まれた作品ですが、とおくはなれた大学の教室で、あたらしい生命を吹き込まれているようです。この世界に思考の渦を。すばらしい報告が聞けて、とてもよろこんでいます。

  鈴江俊郎

bottom of page